はじめてのタオイズム

TOP >  > グルメより自然の水 − 老子道徳経「道」とは 

グルメより自然の水

グルメ時代

現代はグルメの時代ですね。
超高級フランス料理のレストランや、超高級寿司店でなくても、口コミや広告にのせられて、おいしい店を探し、訪れた経験は誰しもあることでしょう。
人間が行動を起こす時は 美味しいもの、感動的な音楽など、なにか心を動かされる物などの情報や噂など、その人の心を引きつけるキッカケとなる物があります。
それが一般的な、私たち人間の行動原理といえるでしょう。


目立たない、 無為自然「道」

ところが、この老子道徳経35章にかかれている「道」、TAOの特質というものは、「道」とは言葉で表現しても淡泊で、とりたててどっきりするような印象的なものでもないし、また味もないというのです。

つまり、あまりに自然だから、取り立てて印象的な言葉や味わいではないのです。

そして、人間の気持ちを引きつける音楽や美味しい食事より目立たないが、この「道」TAOの持っている価値は、使えば使うほど、限りなく広がるというのです。 そして使うまではとても地味で目立たないが、使ってこそはじめてその価値やすばらしさがわかるのです。


限り無い恵みを与えてくれる「道」

わかりやすく言えば、「道」TAOは、白いご飯や、香りも味もない水、そして空気みたいなものといえます。

人間は、ともすれば、高級グルメや、高級ワイン、おいしい日本酒、また薫り高い香水、そしてすばらしい音楽などを求めますが、実は、当たり前のご飯や、毎日飲む水、そして空気は、日常では、とりたてて人の意識や興味をひくものではないですが、これらの価値は、たとえばごはんなら、どんなおかずにも合い、毎日たべても飽きのこない日本人にとって、大切な主食といえますし、ごはんは噛めば噛むほど味わいがあります。
また、水はすべての生命を潤し、木々を成長させ、花咲かせ、実らせるためにかかせない、大切なものです。
その水の効用といったら、書き上げることができないくらい、限り無いのです。

また空気、これも同じです。
空気があるからこそ、人間も動物も生きられるのです。
つまり「道」とは、とりたてて目立つものではないけれど、必要欠くべからざるものであり、そしてその効用や、価値は、数え上げあたらきりがないのです。

ところが使ってみて初めてその価値がわかるし、また使えば使うほど 用いれば用いるほど、その価値のすばらしさがわかるのです。


身近にある幸せへの気づき

私たちは、そのことを、考えて見る必要がありそうです。
人の目をひく広告や、宣伝、そして、目立って活躍している人だけでなく、私たちにとって、毎日あたりまえにいただく御飯や、それを炊いてくれる人、水や空気、そんな常にそばにあり、目立たないものにこそ、大切なものがあることに気づきましょう。

これまでの人生を共に歩んできた妻や家族や同僚がいて、あたりまえのお茶の時間や日常、そこにこそある小さな 本当の幸せ、それを感じられたら、きっと明日からの人生が、新鮮に輝いて見えるのではないでしょうか。



もっと道を詳しく知りたいあなたへ
最も幸せな生き方
本当に美しいのは健康な心とからだ

道家道学院