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9月の言葉 「秋の鱗雲」

透き通るような秋の光

ついこのあいだまで
ミンミン蝉が鳴いていたのに
自然は時の流れを忘れない

暑い元気な夏を終わって
いつの間にか秋の風を運んできました

ふと気付くと秋の虫の声
肌にあたる涼しい風も
「もう夏は終わったよ」
と教えてくれます。
空を見上げると
鱗雲

元気な入道雲は もういない

ああ、もう秋なのです。

急に静かになる秋の気に
輝く太陽のもとで過ごしたいろいろな思い出や
真夏の暑さの中で今年はよく働いた〜〜
そんな思いから ふと立ち戻り
懐かしく そしてちょっと寂しく思う暇もなく
自然も都会もどんどん秋色になってゆきます。

いつから時の流れがこんなに速くなったのでしょう。
コンクリートの小さな隙間に咲く花に
気付くこともなく
かつかつと 靴の音高く
足早に会社に直進してゆく
朝のひととき

豊かさを求め続けて
走り続ける現代に生きて
疲れた心と体を置き去りにして
何かを忘れた 忙しい私達

古代の人は
空の色の変化も 
季節の風のささやきも
毎日季節は動き、土の温度がかわることも
皆あたりまえのように感じて
自然とともに生きていたのでしょう。

TVもパソコンもないけれど
もっと沢山のものを見て、感じて
豊かな時間を過ごしていたのでしょう

現代人が忘れてしまった
自然にひたって生かされる豊かさを
当然のように受け入れていたのでしょう

現代の私達は
自然を感じることのできるセンサーと
自然と共に生きるありのままの自分
本来の宇宙の中にいかされ
大きな自然に抱かれている幸福感

そんな感覚と引き替えに
何を手に入れたのでしょうか?

土や風の香りを感じる鼻や
遠くの空から変化してくる季節の色を見る目
風の音、水の流れから天気の移り変わりを知る耳
ふとあった目と目でかわす気の交流

秋の鱗雲に気付いたら
涼やかな風を肌に感じたら
今年の秋は
時間に追われ続ける自分を脱出して
もう少し豊かな時間を
すごしてみませんか?

そしてその豊かな時間は
旅先の遠くの街にあるのではなく
あなたの毎日の中にあるのです

あなた本来の心とからだの感性を
取り戻してみませんか?

眼を洗い、心を洗い
体を動かして自然な呼吸によって
体内に元気な気を巡らせる
「気のトレーニング」

夏の疲れを追いだして、
爽やかな秋の気を巡らせることで
見える世界が違ってきます

さあ この秋は
あなた自身の中に眠る
気のセンサー磨き!

日本道観では
無為自然の生き方を学び
タオイズムの「気のトレーニング」を通して
心もからだも
本来の元気で自然なあなたに戻る
お手伝いをしています。

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